巧言乱徳

こうげんらんとく

入院飯3

手術当日。

朝食。

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手術の開始予定時間は午後3時なので、今日は昼食は無し。

午後になって手術準備が始まり、生まれて始めて点滴の針を腕に刺される。

3時を過ぎたが手術が始まる気配が無い。

窓の外が暗くなり、他の入院患者に夕食が運ばれて来る。

予定より4時間遅れて車椅子に乗せられ、手術室に運ばれた。

手術台は歯科医の椅子のような構造で、横になって顎を仰け反らせる様に頭を固定される。

手術開始直前に問題発生。

昨年末から頸椎狭窄性神経痛と言う、Xジャパンのドラマーがアメリカで手術したのと同じ症状で右肩から腕にかけて痛みと痺れが出る事が有るのだが、手術台の不自然な姿勢で肩が痛い。

事情を話して肘の下にクッションを入れて貰ったが症状は改善されず、肩の痛みに耐えながらの手術となった。

手術自体は部分麻酔が効いているので痛みは殆ど無い。

しかし、意識はハッキリしている。

手術開始時、強制的に大きく開かれた眼球に鋭利な金属製の施術器具が差し込まれる瞬間、本能的な恐怖で身体が動きそうになるのを堪える。

手術中は肩の痛みに耐えながら、大きな地震が起こらない事を祈っていた。

眼球に施術器具を挿入して繊細な作業をしている最中に揺れたり、病院なので自家発電設備はあると思うが地震の影響で停電したらそのまま失明するだろう。

手術自体は1時間少々、手術室で車椅子に乗ったまま少し休み、病室に戻ったのは9時を回っていた。

消灯間近の夕食。

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