喫煙者がニコチンとタールを発癌性物質と思っている訳
近所の公園では竜胆の花が咲いている。
前回記事にしたように、大抵の喫煙者は肺癌で死ぬのがどのような事か全く判っていない。
痛み止めも効かず、毎日少しずつ肺を切りとられて行くように、徐々に呼吸が出来なくなり、傍で見ているだけでも恐ろしくなるような苦しみが数か月間続いて死んで行く。
考えられる中でも、最も酷い死に方の一つだと思う。
しかし、大抵の喫煙者はニコチン依存症で、依存症の症状の一つである「否認」行動を取ります。
依存している行為そのもの(現実、現状)を、理由をつけて摩り替えて「自分は問題がない」と 思ってしまう(あるいは思いたい)のです。
例えば「健康の為に、タバコを軽い(ライト)に変えたよ」という喫煙者が身の回りにいませんでしたか?(現在は「マイルド」「ライト」などの付く銘柄は禁止されています)
ニコチンとタールの摂取量が減ったから、自分は肺癌にならないという理屈です。
これは全く根拠が無い。
まず、ニコチンはゴキブリが死ぬような致死性毒物ですが発癌物質ではありません。
又、他の化学物質を含まない純粋なタールは発癌物質としてはグループ3という分類で「発癌性を分類できない」です。
それなのに何故、ニコチンとタールが発癌性物質と勘違いされているのか?
これは、たばこ事業法施行規則に「財務大臣の定める方法により測定した、たばこ煙中に含まれるタール及びニコチン量」を分析するように定義されているからのようです。
参考資料:喫煙の健康影響に関する検討会報告書 (案) - 厚生労働省
ニコチンとタールしか測定していないので、タバコのパッケージには他の毒物の記載が無い。
本当に問題にしなければならない、グループ1「発癌性がある」、グループ2A「恐らく発癌性がある」、グループ2B「発癌性の恐れがある」物質について、大抵の喫煙者は何も知らない。
例えばタバコには震災の原発事故以前から、放射性物質が含まれている事を知っていますか?
参考資料:ポロニウム210 - Wikipedia
タバコは栽培に多量の農薬と肥料が必要な作物で、肥料に含まれるポロニウムがタバコ葉に濃縮されます。
天然ウランの65億倍!!!も強い毒性を持つ物質で、微量でも癌の原因になります。
しかも、軽い(ライトな)タバコは「代償性補償喫煙行動」という問題点も指摘されています。
上記厚生労働省報告書のリンク先で詳しく説明されていますが、ライトと言いつつ通常のタバコとの違いはフィルター周囲に開いた穴の大きさだけで、吸い方によっては通常のタバコより健康被害が拡大するような商品が「健康に良い」と勘違いされて大量に出回っていたのが現状です。
これ、最近の電子タバコでも同じですよ。
有害物質が減っているから大丈夫!
タバコ会社の言う事を鵜呑みにしてはいけません。
匂いが無いからと言って、健康被害や受動喫煙が少なくなった訳ではありません。
個人的には、非喫煙者にとっては従来の紙巻きタバコより余程タチの悪い商品だと思っています。
直ちに法整備して、明らかに電子タバコと判る不快で強い匂いを付けるべきだと思う。
都市ガスは本来無臭ですが、ガス漏れの危険を察知する為に独特の匂いが付けられています。
例えば部屋を借りる時。
非喫煙者だったら前の居住者が喫煙者かどうかは非常に気になるはずです。
たとえ室内が無臭で壁紙に変色が無くても、発癌性物質に酷く汚染されているかも知れない。
あるいは隣の家から風に乗って、色も匂いもない強毒性の化学物質が自宅に入り込んでいるかも知れない。
もしかしたら、今まで家の外までタバコを吸いに行っていた喫煙者が、リビングで悠然と電子タバコを吸っていませんか?
特に妊娠初期の妊婦さん、あるいは小さなお子さんのいるお母さん、ペットを飼っている人・・・わずかな量でもタバコ(電子タバコ)は致命傷です。
キッチンでフライパンを空焼きしたら、リビングでインコが死んでしまった・・・という話を聞いた事がありませんか?
小さな命を守れるのは貴方だけです。
今までより心理的なハードルが下がって、喫煙者や喫煙量が増えるような商品に免罪符を与えてはいけない。